かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

 今日は少し彼女と出会った頃のことを思い出してみようと思う。前にも何度か書いた記憶があるけど気にしない。

 僕は前に働いていた職場が潰れて、現在の職場に移ってきた。当時は前の職場が潰れたことがショックで、そのまま続いてくれていたらどんなに良かっただろうとか、もしも職場が復活するのなら僕はそっちに戻って働きたいとか、暫くの間思っていた。そんな僕が不安いっぱいで今の職場に移り、彼女に出会った。初めて会った時、可愛い人だなあって思った。彼女に会う前に他の人達にも会っていて、失礼な話だけどその中には僕が可愛いなあって感じる人はいなかった。順番的には彼女が一番最後に会ったくらいだと思うけど、あぁここには可愛い人いるんだなあって思った。仲良くなりたいなあって思った。彼女には良く見られたいと思って仕事を張り切った。初めて一緒に仕事をした時、人見知りが発動してあんまり会話できない僕に対して彼女は積極的に話し掛けてくれて、気を遣わせちゃってるかなあ無理させちゃってるかなあなんて心配していた。たぶんこれも彼女と最初に会った日だと思うけど、同じ作業をしていてそれが順調に終わったため、時間に余裕ができて他の作業ができる!ってなった。その時に彼女がよし!って感じで喜んでくれて、嬉しそうに別の作業もできるって言っていたのが凄く印象に残ってる。リアクションが大きくて可愛いなあって思った。

 彼女の仕事に対する姿勢にも感心した。仕事に対する考え方が自分と共通していて、今まで同じ視点で考えている人と出会ったことがなかったので凄く嬉しかった。

 彼女が周りに気を配っていることはすぐに分かったし、苦労していることも分かった。彼女が好きとかそういうことを意識する前だったけど、この大変な環境に自分が入ってきたことによって彼女が少しでもつらいっていう気持ちから開放されたらいいなって思った。僕が来たから大丈夫、なんて言えなかったけど、僕が来たことで事態が良い方向に進むように努力しようと思った。この時から僕は彼女のために頑張ろうって思っていたんだね。

 僕との距離を測りかねている状態の彼女は今とはまた違った可愛さがあった。きっと彼女は僕に対して話し掛けることや、何か行動を起こすことで僕がそれを疎ましく感じないかとか、自分が嫌われやしないかとか心配でたまらなかったんだと思う。それでもなお僕に対して働きかけてくれた彼女って可愛い。びくびくしてた彼女っていうのも今はなかなか見ることができないから、振り返ると可愛いかったなあって思う。

 当時の僕はまだ彼女という存在がどんな人なのか、半分も分かっていないような状態だったから、彼女が僕に嫌われないか心配しているのを感じて、そんなに心配することなんてないのになあって思っていた。彼女の気遣いは心地よかったし、彼女との会話は楽しかった。彼女といて不快に思ったり嫌だなと思ったことなんて全く無かった。

 そうやって彼女と一緒に働いているうちに、いつの間にか僕は前の職場に戻りたいなんて思わなくなっていった。この職場に移ってきて、彼女に出会うことができてよかったって思うようになってた。

 今ふと、最初に可愛いなって思った時に、こんな子と付き合えたらいいけど僕なんか相手にしてもらえないんだろうな、みたいなことを考えていた事を思い出しました。