かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

名前

 彼女が僕の名前を呼んでくれると嬉しい。僕の名前を呼んでくれる時の彼女が可愛い。ちょっと前まで僕を名前で呼ぶことを嫌がっていたから、最近結構呼んでくれるようになって嬉しい。恥ずかしかったのかなー。

 思い返せば、僕と彼女が出会った頃はお互い苗字にさん付けで呼んでいた。まあ当たり前と言えば当たり前だよね。今みたいに仲良くなる前に彼女が、苗字で呼ばれるのは距離をおかれている感じがするから、あだ名で呼んでって言ってきた事があって、でも僕は女の子をあだ名で呼ぶというような経験をあんまりしてこない暗黒の青春を送って来ていたので、すんなりその要望を聞き入れることもできず、ずっと苗字で呼んでいた。恥ずかしかったのだ。

 彼女と仲良くなってしばらく経って、僕は彼女にとって特別な存在でありたいという願望が出てきた頃。彼女を名前で呼ぶことになった。経緯をよく覚えてないんだけど、苗字で呼ぶのをやめて名前で呼ぶって僕が言ったのかなあ。恐らく僕は彼女を名前で呼ぶことで距離が近づいたと思いたかったんだろうし、より親密になるために必要な一歩だと感じていたのだろう。彼女も苗字で呼ばれるのは嫌だってずっと言っていたし。

 呼び始めた当初は恥ずかしくて恥ずかしくて、電話している時に呼んでも赤面するレベルで恥ずかしかった。というかまず呼ぶのを躊躇っていた。面と向かってなんて恥ずかしくて呼べないって思ってた。あの頃の僕の反応を彼女は面白がっていたし、可愛いとも思っていてくれたみたい。今はもう彼女を名前で呼ぶことになんの抵抗感もないし、むしろ意識しなくても自然に出てくる。だから逆に仕事中に意識して苗字で呼ばないといけない。

 名前で呼ばれるって小さい頃は当たり前だけど、大人になっていくとやっぱり苗字で呼ばれる機会が多くなっていって、名前で呼ばれることのほうが特別なことに感じるようになる。

 僕が彼女を名前で呼ぶことも、彼女が僕のことを名前で呼んでくれることも、普通の友達よりもちょっとは進んだ状態なのかなって思える。僕と彼女の場合はね。

 だから彼女が僕のことを名前で呼んでくれるようになったことはすごく嬉しい。もっと呼んでもらいたいなあ。