かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

どんぐりころころ

 先日、彼女が仕事中にファンからどんぐりを貰った。

 この一文だけでは何のことやらさっぱり分からないと思うので補足説明すると、彼女には小さなファンがいる。幼稚園くらいの男の子。彼女の前では恥ずかしがって素直になれない可愛い子。彼は彼女のことが大好きなようで、彼女と会えるのを楽しみにしながら来るらしい。憧れのお姉さん。

 そんな彼がこの間どんぐりが入った手作り封筒を彼女にプレゼントしたのだ。普段かなり恥ずかしがってもじもじしてるから、きっとかなり勇気を出したんじゃないかなあと思う。微笑ましい。

 どんぐりは結構たくさん入っていて、彼女はそのどんぐりを使ってネックレスを作り彼にプレゼントすることにしたようだった。とても素敵な案だと思った。プレゼントを貰って終わりではなくて、それに対して何かお返しを考えられる彼女が好き。そういう優しさが伝わっているからこそ彼にも好かれているんだろう。

 どんぐりをネックレスにするための材料を僕も一緒に買いに行かせてもらって、ネックレスとストラップを作った。前日にはどんぐりを茹でたり、表面を加工したりして彼女はかなり頑張っていた。

 ネックレスとストラップ共によい出来で、きっとこれを受け取った彼も大喜びしてくれると思う。憧れのお姉さんからプレゼント貰ったら嬉しいよね。しかも手紙付き。宝物になると思う。僕も欲しい。

 手紙の文面を考えているときに、彼の理想像を壊さないように気を配る彼女を見て本当に彼女は優しいんだなあと思った。僕だったらそもそもお返しをすることを思いつきもしないんじゃないだろうか。

 こういう人として素敵な部分を彼女が持っていて良かったなあと思う。そんな人を好きになれて良かったなあとも思う。

 あ、余談だけど僕が彼をライバル視していると彼女に伝えたら、彼の圧勝だと言われた。まあうん、そうだよね。

 子供に好かれるっている彼女を見るのがとても好きだ。彼女の優しさを彼らは純粋に受け取っているんだろうと思えるから。周囲の彼女を理解しない大人たちよりもよほど彼女のことを分かっているんじゃないかと思う。

 子供に接している時の優しい笑顔の彼女が可愛いから僕はつい目を奪われてしまう。彼女に優しくされていいなあって思ってしまう。立場がおかしい。ダメ人間の発想な気がする。

 どんぐりを貰って喜んでいる彼女も可愛かったなあ。どんぐりを貰ったことを本気で喜べる彼女も素敵だなって思う。

 どこを切り取って見ても彼女は素敵。