かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

人を見る力

 僕は自分で思考の幅を狭めていって、考えこんで勝手に落ち込んで悩みの螺旋から抜け出せなくなる時がある。

 今日は僕が彼女に求めているものはなんなのかというようなことについて考えて、僕が彼女と一緒にいるのは下心の結果でしかないのかと悩み、自己嫌悪に陥っていた。もちろん自分ではそんなつもりで彼女と一緒にいるわけではないんだけど、表層化していない部分で僕が無意識の内にそれを求めているのではないかって考えるとドツボにはまって抜け出せなくなった。

 僕はすぐ彼女に頼りたくなるので、彼女にそのことを包み隠さず伝えた。

 すると彼女は何個かの質問を僕に投げつけ、それに答えているといつの間にか僕の悩みは消え去っていた。

 実に見事なもので、こんなにすっきりと悩みが消えたのは初めての経験かもしれない。

 そもそも僕は悩んでいる時に苦しくなって誰かにその悩みを話すけど、その相談相手からのアドバイスですっきり問題解決となった経験がない。僕の思っていることを完全に理解してくれていないからかもしれないし、僕の悩みときちんと向き合ってくれていないからかもしれないし、単純に僕と思考が違うからかもしれない。

 でも彼女は違った。彼女の言葉を僕はすんなりと受け入れることができた。納得して、その通りだと思えた。

 それは単純に好きな人の言葉だから受け入れられたというものではない。それほど簡単なものじゃなくて、彼女は僕の悩みの本質を見ぬいて、的確な回答をくれたのだ。彼女の理解力と、観察力のたまものだと思う。

 彼女は相談されることが多いというのは前に書いたかもしれないけど、きっと理解力と観察力、洞察力とかそういうものが優れているから、的確なアドバイスとか回答を用意できるんだろう。相談されることが多いのも頷ける。

 常に対人において、相手の機嫌とか自分がどう思われているかを考えてるようなので、そういう積み重ねが観察力を培っているのかもしれない。その弊害として彼女は相手のちょっとした変化を気にしてしまって、自分が嫌われたんじゃないかと心配する。僕も多少同じように相手を観察する癖があるから、彼女の気持ちはよく分かる。そういう類の心配を取り除くには、明確な根拠をもった反証が必要だから手強い。僕なりに考えて彼女を励ますけど、それがどれくらい彼女の心を軽くしてあげられているかは分からない。

 大体の場合彼女の心配は杞憂に終わるからいいんだけど、僕がもっと彼女の心に寄り添って元気付けてあげられたらなあ。