かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

独占

 明日、明後日と僕はどうあがいても彼女に会えない。彼女は僕と離れた場所に行ってしまう。

 いろんなしがらみを排除して、僕の純粋な気持ちを言わせてもらうならば、どこにも行かないで僕のそばに居てほしい。

 でもそんなことは僕のわがままでしかなくて、現実においては不可能なことだ。どうしようもない無力感と、寂しさと悲しみが襲ってくる。

 僕はやっぱり束縛したがりで、彼女には僕の思い通りになってもらいたいと思っているのかもしれない。彼女を僕が独占していたい。彼女には僕だけを見て、僕のことだけを考えていて欲しい。でもそれは無理なことは分かっているし、それで本当に彼女を束縛したら幸せか、といったら違うだろうってことも分かる。それでも今の僕には彼女を独占できることが凄く魅力的に感じてしまう。僕が欲するままにずっと一緒にいたいと思ってしまう。

 独占したいという欲求と、彼女を僕のわがままで縛ってはいけないという理性がせめぎ合う。

 もちろん理性が正しいのは分かっている。僕は欲求を理性で抑え付けなければいけない。自分が彼女といられないことで辛くても、我慢しなくてはいけない。

 彼女は僕のことを好きだと言ってくれる。会えない時も僕のことを考えてくれると言ってくれる。嬉しい。涙が出るくらい嬉しい。彼女がそれだけ僕のことを思ってくれているんだから、彼女が僕に対してそれだけ気持ちを割いてくれているんだから、僕はわがままを言ってはいけないんだ。これ以上何を求めるっていうんだ。

 じゃあ仮に彼女が、僕が嫌だというから明日、明後日と出掛けないと言ってくれたら、僕は嬉しいんだろうか。

 僕のわがままで彼女を困らせることが嬉しいわけがない。

 僕は際限なく彼女を求めてしまっている。どれだけの時間だって彼女といたいと思っている。それは彼女のことを好きで好きでたまらないからで、この気持ちを抑えることができないからだ。でも好きで好きで仕方ないから好きな彼女を困らせるってのはおかしい。

 おかしいって分かっていても、自分が愚かだって分かっていても、どうしようもなく彼女を求めてしまう。

 分かってる。彼女が僕のことを大切に思ってくれていることは分かっている。だから二日間彼女が遠くに行ってしまうくらいでへこむのが間違っていることも分かる。

 分かっているのに苦しい。

 でもこの苦しみは僕が彼女を好きである証で、僕はこの苦しみと上手く付き合っていかなくてはいけない。

 彼女を困らせたくないし、元気の無い僕を見せて嫌な思いをさせたくない。本当は笑顔で送り出したい。

 それができない自分がすごく嫌だ。自分の感情ばかりを彼女に押し付けてしまう。僕はこんなに悲しいんですよって見せて彼女に甘えているんだ。彼女に優しくしてもらいたいんだ。彼女が僕のことを見ていてくれると実感したいんだ。そして安心したいんだろう。

 彼女はそんなわがまままな僕に付き合ってくれる。僕を安心させてくれる。でも愚かな僕はそれすらもっと求めてしまうんだ。もっともっと僕のことを考えてるって伝えて欲しい。もっともっと僕のことを好きだって言って欲しい。こんなに求めちゃいけないのかな。求め過ぎなのかな。

 僕は不安で、安心したいんだと思う。何が不安かがいまいち分からなくて僕自身がもどかしい思いをしている。でも安心したいってのは間違いない。彼女が僕を見て、僕のことを考えてくれているって安心したい。

 決して今の彼女が伝えてくれているものが足りないってことではないんだけど、すぐに不安になってしまうんだと思う。

 自分のことなのに断言できない。この気持ちがどういう気持ちなのかうまく言葉にできないから。

 同じ所をぐるぐる回って考えて、もう訳が分からなくなりつつあって、でも文章にしたかったから書いた。

 意味の分からない文章になっているかもしれない。