かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

出会い、邂逅

 彼女と出会った時のことは一番最初の記事で軽く触れたけども、もう少しじっくり振り返ってみようかなと思い立ったので、今日はそれについて書くことにします。

 一番最初に会った時、今でも一番最初のあいさつの時を覚えている。単によろしくお願いしますというあいさつだったのだけど、なぜか彼女とのあいさつだけ覚えている。他の人とのあいさつの記憶はない。

 初対面の印象は、可愛い子だなっていうのと、距離をおかれてる気がするっていうの。

 ここで働いて長いということは聞かされていたので、正直びびってた。就労年数的には僕のほうが長いのだが、もちろんそんなことは何の自慢にもならないし、現在のお店で働いている期間で言えば彼女のほうが圧倒的に上なので、こいつ仕事できねえなと思われるんじゃないかとビクビクしていた。どうやら彼女は彼女で僕に仕事ができないやつだと思われないか心配だったようで、お互いに警戒していたらしい。

 以前働いていた店舗は割りとまったりとしていて、のほほんと仕事ができたのだが、現在の店舗はきっちりしていて働いている人に余裕が感じられなかった。そういうの僕はあんまり好きじゃないし、そんなにギチギチにしていたところで楽しく働けなければ意味が無いと思った。きっちりとしたルールはそれに沿って働けば楽だが、考える力を奪ってしまう。ルールに縛られ、自由を奪われているのに、自主性が無い、と怒られている感じ。

 そして彼女は仕事をしっかりとこなしているにも関わらず、正当な評価を受けていなかった。この店の悪い所の影響をもろに受けていた。彼女のことを僕は当初から評価していて、きっちり仕事のできる人だなあと思っていた。前の店では従業員の意識の低さを嘆いていた事例など枚挙にいとまがないので、彼女を見て職場や他の従業員のことも考えて行動できる人がいるんだ、と感動さえ覚えた。

 だから僕は彼女のことを信頼出来る相手として見るようになるまでそんなに時間は掛からなかった。それと同時に彼女が正当な評価を受けられていないことに苛立った。だからまず彼女が頑張っていること、努力していることを僕が認めてあげなければならないと思った。そうすることで彼女が自信を持って仕事をすればその姿勢は絶対に評価されると信じていたから。

 少し話はそれるが、少し前に彼女は接客の態度が良かったということで表彰された。彼女の努力が認められた瞬間で、僕は自分のことのように嬉しかった。彼女の良い部分、頑張っている部分の一部がやっと評価されたのだ。それはもちろんほんの一部分だから、彼女が頑張っていることはもっともっと評価されていいと僕は思っている。

 さて話を戻す。彼女と出会ってしばらく、僕は新しい職場環境に慣れることに必死だった。非常に居心地も悪かった。殺伐とした職場の雰囲気が嫌で、前の職場に戻りたかった。でもそんな僕を助けてくれたのが他でもない彼女だった。

 彼女は僕に話しかけてくれて、遊びに誘ってくれて、誕生日もお祝いしてくれた。おかげで彼女のそばに居場所を見つけることができた。非常に居心地の良い場所を。

 彼女のお陰で僕は職場に馴染んでいけたと思っている。彼女がいなかったら僕はどうなっていたか分からない。少なくとも、もっとずっと孤独を感じていたのだろう。

 仕事上の疑問点や、改善案も気軽に話せる相手として彼女がいてくれた。

 プライベートでも僕の相手をしてくれる存在が彼女だった。

 彼女のお陰で今僕は楽しく仕事ができる。彼女がいてくれるから笑顔でいられる。

 本当にありがとう。