かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

きゅーと

 Y君が彼女はキュートだって言ってた。

 酔っ払ってぐでんぐでん状態だったから、きっと本音だろう。

 普段言えないようなこともぽろっと口に出しちゃう感じで。

 昨日Y君に連絡してみたら、お酒飲んでだいぶ酔ってるタイミングだったみたいで、相当面倒くさかった。その時に彼女の話が出た。

 知れば知るほどキュートだって言ってた。

 彼女の可愛さが分かるようになったら一人前である。

 彼が彼女のどこにキュートさを感じているのかという詳細は不明だが、少し考えてみる。

 知れば知るほど、という発言から想像するに、付き合いが浅い頃に見えていた彼女と、今の彼女との間に発生するギャップかなって思う。

 最初厳しくされていたから、彼女に対して、もしかしたら厳しくて怖い人だっていう感覚があったかもしれない。しっかりしていて、キビキビ働く人っていうイメージもあったと思う。

 そういう部分だけだと、冗談とか言ってたら怒ってくる人みたいな人物像が出来上がりそう。でも彼女は違う。ユーモアを持っているし、場を盛り上げる力もある。決して固い人ではない。

 大人っぽいのかと思えば、可愛いものが好きだし、お菓子をプレゼントすれば大喜びしてくれる。

 頭が良いし、考え方もしっかりしてるけど、くだらない遊びで盛り上がれる。ばかみたいなこともする。子どもみたいにはしゃげる。

 彼女のこんな部分に触れて、Y君は彼女をキュートだと感じたんじゃないかなあ。

 僕が思う彼女の可愛さを同じように感じているはずだ。

 Y君は、初対面の時彼女を怒らせるという失敗をしている。それを結構気にしていて、ずっと彼女に嫌われてるって思ってたみたい。

 でも彼女はそのことをすでに許しているし、なんだったらY君に優しくしてる。好感を持って接している。Y君の行く末も心配してた。

 最近はY君もそれに気付いたらしくって、ありがたがってた。

 Y君は意外と彼女を見ている。彼女が嫌な役回りをいつもやってくれていることとか、彼女の存在が周りを助けていること、同時に周りが彼女に頼りすぎていることなんかを気にしてた。

 昨日もずーっと、彼女が最近大変そう、無理してるって心配してた。

 彼女はそんなに今は大変じゃないって言ってるんだけど、心配フィルターがかかったY君にはそう見えるんだろう。

 酔っ払った時だったから、何言ってるのか分からない部分は多かったけど、彼女のこと好きなのと、心配してるのはかなり伝わってきた。

 今日職場に顔を出したら、Y君も彼女もいた。彼女がロッカーの整理をしてて、昔使ってたメモ帳が出てきてた。要らないやつ。Y君は彼女の書く字が好きだから、僕がこれあげるよって渡した。

 さすがに要らないですって言うかと思ったら、パラパラと中身を見た後に、もらっとこ-!って嬉しそうにかばんに入れてた。要らなかったらわりと普通に断るやつだから、本気で欲しかったんだろう。

 つらい時に見て元気をもらうって言ってた。

 もう一個メモ帳が出てきたので、Y君に見せたら、それもすんなりかばんにしまおうとした。僕がもらおうと思ってたので、これは僕の!って取り返した。メモ帳争奪戦。

 Y君にも彼女の良さが分かって貰えて、嬉しい。

 ちゃんと彼女のことを見ていれば、彼女のキュートさって伝わってくるよね!