かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

装飾

 昨日、仕事の一環としてクリスマスの装飾をした。

 季節感を出すのは結構重要。でもお金は掛けられない。工夫する発想力とセンスがかなり必要とされる仕事だ。

 毎年、上司のDIY精神でのみ施される装飾はダイナミックさはあれど、荒っぽくて綺麗ではなくて、センスも感じられないかなりがさつな仕上がりとなる。去年も酷かった。

 この上司が、例えばもっとセンスの良い誰かに仕事を委託してくれればいいのだが、やりたがりだし手を出さないといられないたちなのでかなり面倒くさい。しかもやり始めてしまうとこうしたらいいんじゃないですか?というのも言いにくい空気になる。つまり、上司がやり始めてしまった時点でかなり方向性が決められ、良い物に仕上がる確立はかなり下がってしまうのだ。

 そして今年も上司が意気揚々とイルミネーションで飾り付けを始めた。一人でやっていたので僕がお手伝いに行くことになった。とはいえ意見を求められることもなく、与えられた指示を淡々とこなすのみ。仕上がりを良くするための助言など全くできないでいた。しばらくそうしていると僕は休憩に入る時間になり持ち場を離れることに。そこで僕の仕事を引き継いでくれたのが彼女だった。彼女にだったら安心して任せられるって思った。

 休憩を終えると上司は別件で装飾から離れていて、彼女が一人で後を引き継ぐような感じになっていた。彼女からの依頼を受け、僕も手伝うことになったんだけど、これが大正解。僕と彼女で好きなように装飾できる状態になった。

 彼女と相談しながらこれをああしようとか、こうしようとか言いながら、着々と作業を進めた。

 彼女の発想力をもってすれば、数少ない材料を最大限有効活用して完成度を上げることなど容易なことだった。これ絶対上司には思いつけないわっていうような柔軟な発想に僕は感動した。

 特に問題も起こらず、無事作業は終了。例年に比べればその完成度はずば抜けて高いと胸を張って言える出来となった。

 彼女と二人で自由に作業できることの楽しさ。二人で何かを作り上げる時の充実感って素晴らしい。普段の仕事はクリエイティブなものではないから感じないけど、自由な発想で色々できるのってすごく良い。

 一緒に作業をしていて、彼女の発想の柔軟さとセンスの良さをすごく感じた。上司はもちろん、僕もきっとそういう風にするのは思いつかないだろうなって思った。最初から彼女と二人で一緒に考えながら作れたらきっともっと良い物が作れたんじゃないかな。

 出来上がった装飾は他の皆さんからたくさん褒めてもらえた。その賞賛は全て彼女に向けられるべきだと思う。それくらい彼女の案が素晴らしかった。

 彼女とゼロから何かを作り上げるのがすごく楽しいから、別の何かでやりたいな。