かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

寒空の下

 さぁ今日は嬉しい事があったからそれについて書くよ。きっと彼女もこれについて書くんだろうなと思っているだろうから、その期待を裏切らないようにしないと。

 今日は彼女が仕事終わる頃に僕が出勤という日だった。入れ替わりみたいな感じ。一緒に働けないし、彼女の顔も一瞬しか見れず会話もちょっとできればいいほう。彼女が仕事を終え、帰っていくのを見送るのは結構寂しい。今日もやっぱり寂しくて、彼女を引き止めてずっと一緒にいて欲しかったけどそういうわけにもいかないから笑顔で見送った。

 彼女がいないと仕事もつまらない。

 帰りも彼女とコンビニへ寄り道なんてこともできないし、まっすぐ家に帰ることになる。

 でも今日は彼女の家の前を通って帰ろうって思った。今日は彼女が仕事終わった後に出掛ける予定もなく、家にいることは分かっていたから。僕が彼女を認識できなかったとしても、彼女が僕の車を見て通ったなって分かってもらえればいいなあって思っていた。でもどうしても期待しちゃうもので、彼女が家から出てきてくれないかなあ、会いたいなあという思いがあった。それをわざわざ連絡して、外に出てきて!ってお願いするのもおこがましいので、家の前を通るよーっていうお知らせだけして車を走らせた。

 少しして彼女から「さむい」っていうメッセージが送られてきた。もしかして!って僕の心は高鳴った。でもここで外で待ってくれてる!って思ってしまうとがっかりした時に戻ってこられなくなってしまうので、窓から顔を出してくれているのかもしれないと思うことにした。

 その時にはもう彼女の家が見える位置に来ていて、僕はそこからゆっくりと車を進めて少しずつ近づいていった。

 彼女らしき姿が見えた気がして、でも僕が望んでいるがゆえに見せる幻想かもしれないって思って、どきどきしながら進んでいったら彼女だった。わかった時嬉しかったー!全力の笑顔でぐへぐへしながら彼女の目の前で車を停めた。

 彼女も笑顔で僕を迎えてくれたんだけど、それよりも僕の喜びようが見た目的に酷かったようで、ぐでんぐでんしてるって言われた。嬉しすぎたようだ。

 だって、彼女が外に出てきてくれたらいいなあって思っていたら本当に出てきてくれているんだから!最高じゃないか!

 実は彼女にあげようと思っていたものもあって、もしも彼女が出てきてくれたら渡そうって思っていた。そしたら彼女が待っててくれてるんだもんね、それをあげれるっていうことでも嬉しくなってテンションあがった。

 彼女がいるー!うれしいー!彼女にこれあげれるー!うれしいー!わーいわーい!って感じ。

 僕が大喜びだったから彼女も喜んでくれた。彼女の顔が見れた。笑顔が見れた。少しだけど話もできた。嬉しい嬉しい。外が凄く寒かったので、早くお家に入りな!っていいたいんだけど、もう少し彼女と話がしたいっていう欲求がそれを飲み込んでしまって、しばらく彼女を引き止めてしまった。

 終始ひゃいひゃいしながら、ハイテンションで「さむいね!ごめんね!ありがとうね!」と繰り返し僕は走り去った。

 ごきげん。超ごきげん。帰り道るんるん。

 疲れも吹き飛んでとてもいい気分だった。

 ああー会えてよかった。嬉しい。あー嬉しい。