かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

痛み

 ふと気付いたことがあって、今日はそれについて書こうと思う。

 彼女は色んな事に気付く。視野が広い。人の考えを深いところまで読み取れる。先読みもできる。ということは、誰よりも多くを見て多くを考えているってことになる。そうすると必然的に多くのストレスに晒されることになる。

 例えば、他の人が気付かないようなところに気付いて、それが気になって改善するための案を練る。でもその問題点には誰も気付いていないから、彼女が一生懸命考えて対策を練って問題に対処したとしても誰も感謝してくれない。そもそもその問題があったことに気付いていないのだから評価できるわけがない。でも彼女は頑張っていて努力もしていて、行動も起こしている。彼女からしてみれば自分の行動のお陰で問題が小さいうちに改善して、大事にならずに済ませたという事実があるのに誰もそれに気付かない。これは彼女にとってみれば苦痛でしかなくて、自分がやったことを誰も見てくれていない評価してくれていないというストレスになってしまう。

 彼女の感覚が鋭いっていうことは良いことだと思うし、僕はそういう感覚を持っている彼女が羨ましくも思う。ただそれは僕が外側から見ているからそう思うだけで、彼女にとっては良いこととは言えないかもしれない。

 ちょっとした出来事が彼女にとっては看過できない問題になったりする。もしかしたら自分は嫌われているかもしれない、嫌がられているかもしれないなんて不安がつきまとう。それはやっぱり物事を深く読み取る力があるからで、僕から見たらそんなことないよ、気にすることないよっていうような出来事でも、彼女にとっては見過ごすことのできない重大な出来事だったりする。それに対して、気にしすぎだよというのはあまりに彼女のことを考えておらず、彼女を馬鹿にした言葉になってしまう。

 周囲の人達に気遣い、自分の立場を意図的に動かして周りに合わせることができるのは、彼女が深く物事を捉え、人よりも多くの情報を得ることができるからで、それに伴って気にしいで不安に陥りやすくてネガティブ思考な彼女が出来上がってしまうのは仕方ないことだ。

 痛みを知らないと相手の痛みを理解することなどできないみたいなことを言う。彼女はみんなの痛みを理解してあげられるんだろう。でも彼女は誰よりも痛みを感じているからその彼女の痛みを理解できる人は数少ないのかもしれない。

 幸い、彼女の痛みを僕はそばで知ることができる。

 苦しみ悩む彼女を見ていると可哀想だしどうにかしてあげたいと思うけれど、でもそうやって傷ついた彼女が愛おしく思える。でも元気のない彼女を見るのは辛い。でも元気のない彼女も好き。なんか混乱する。