かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ふぉんと

 僕は彼女の字が好きだ。

 走り書きのようにさらっと書いた字も、丁寧に書かれた字も、どちらも好きだ。

 昨日書いたように、僕たちは日記を交換している。だから彼女の字を目にする頻度はかなり高い。毎日のように彼女の字を目にする機会がある僕は幸せ者だ。

 仕事をしていても、そこかしこで彼女の書いた字を見ることができる。業務上必要なサインだったり、伝達用のメモだったり。ぱっと見ですぐに彼女の字だと分かる。その字を見た時のメンタルによって僕は嬉しくなったり悲しくなったりする。会えなくて寂しいなあとか思っている時に見ると、ちょっとだけ胸が締め付けられたような悲しい気持ちになるし、それ以外の時に見れば彼女を感じられて元気が出たり嬉しくなったりする。

 同僚も彼女の字を可愛いと言っていて、以前彼女の字の可愛さについて話し合ったこともある。仕事中に彼女の書いた字を見つけると、和みますよねーみたいな。僕たちは彼女の字のことを、「○○フォント」(○部分には彼女の苗字が入る)と呼んで親しんでいる。

 彼女の字が好きすぎるから、もっと彼女の字と触れ合えないかなあと考えていた僕は思いついた。

 パソコン用のフォントをつくろう!と。

 そうすればパソコンで文章を表示する時に彼女の字で表示される。なんて素敵なんだろう。

 つくろうと思い付いたのはいいが、彼女の協力がなくては作れない。フォントを作る作業というのは途方もなく根気のいるものだという認識はあったので、気軽に頼めないなあと思っていた。

 それを思いついたのがもう一ヶ月以上前。思い付いたこと自体忘れかけていたんだけど、昨日彼女との会話の中で字の話が出た。良い機会だと思って、フォントのことを提案すると、字を書くのは好きだからとあっさり承諾してくれた。

 すぐにフォントの作り方を調べて、フリーでひらがなとカタカナを作れるソフトを見つけたので専用の用紙を印刷して今日彼女に渡した。早速彼女はフォントづくりをしてくれているみたい。

 すごくわくわくしている。

 彼女だったらやってくれるんじゃないかなっていう期待もあったけど、快諾してくれたのですごく嬉しかった。

 僕と彼女で何かを作るっていうこと自体にもわくわくする。

 フォントができあがる日が楽しみだ。