かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

勘違い野郎

 彼女には気持ち悪いファンが付く。働いている彼女を遠くから見つめてくる奴とか、わざわざ目を合わせて会釈してく奴とか。客観的に見れば無害っちゃ無害かもしれないけど、彼女からすれば気持ち悪い奴らが自分を意識した行動を取ってくるわけで、そんなの精神衛生上良いわけがない。あいつらが何を思っているのか分からないけど、彼女が自分に特別優しくしてくれるとか、好意を持ってくれてるとか勘違いしちゃっているのかもしれないし、単に彼女のことが好きでそういう行動を取っているのかもしれない。なんにせよ彼女に何か悪い所があるとか、彼女が彼らを勘違いさせるような行動を取っているわけではないと思う。

 ということで今日は僕が極力主観を排除して、僕が同僚という立場ではなく、外部の人間だと仮定した時に仕事中の彼女からどんな印象を受けるのか、ということを考えてみようと思う。

 まず彼女の声はよく通る。少し離れた所にいても彼女の声がはっきりと聞こえてくる。決して無駄に声が大きいというわけじゃなくて声質がいいんだと思う。発声が上手いのかな。彼女の声に不快感は一切抱かない。きれいな声だし、ハキハキ話すから元気がある感じがする。明るい感じ。そして笑顔が可愛い。誰にでも笑顔で接することができるから、与える印象は凄く良いはず。大方彼女をいいなと思ってる奴らは、この笑顔にやられてるんじゃないかな。普段女性から素敵な笑顔を向けられないような男が、彼女に笑顔で対応されたら心を射抜かれたような気持ちになるのは分からなくはない。でもそれは仕事をしている彼女にとって当たり前の対応で、誰かに特別に笑顔を向けているわけではない。やっぱりそこで自分に好意を持ってくれてるとか、特別笑顔を見せてくれているって勘違いしてしまう奴らは頭がおかしい。

 彼女が魅力的なのは分かる。笑顔めっちゃ可愛いし。接客してもらっている時にちょっとしたアクシデントが発生して彼女と話すことがあったりしたら、彼女は笑顔で会話してくれるだろうし。そしたらちょっと仲良くなれたかもしれないって勘違いしてしまう馬鹿がいるのも分かる。

 僕が客として彼女に対応してもらえたら、素敵な人だなとか可愛いなって思うことは間違いない。次にまた彼女に対応してもらいたいなって思うだろう。それは彼女の対応が凄く良いからだ。彼女がいくら可愛くても無愛想だったり、対応が雑だったりしたら好感は持てないだろうし。

 彼女は可愛くて対応も素晴らしい。だからきっと彼女のファンはいっぱいいるんじゃないかなあ。僕だって彼女のファンだ。そしてそのファンの中で問題行動を起こすアホが数人。アイドルのファンでも規律を持って行動が出来る人と問題行動を起こす奴らがいるように、小規模ではあるけど同じようなことが起こっているんじゃなかろうか。

 それにしても四人くらいいるからなー。彼女が自分に原因があるんじゃないかって思ってしまうのも分かる。でも彼女の魅力からすれば四人くらいそんな変な奴らがいてもおかしくないなーって僕は思う。

 仕事である以上、彼女はそんな気持ち悪い奴らにも対応しなきゃいけない時がある。もう僕は奴らに彼女の可愛い笑顔を見せたくないし、声も聞かせたくないし、姿も見せたくない。それはさすがに無理なんだけど。僕が一緒の時は対応を代わってあげたり、彼女の近くにいることによって奴らを牽制したりできるからいいんだけど、僕がいないときはすごく心配。

 僕が身を挺して彼女を守ってあげられるならそれでいい。気持ち悪い奴らの一人が僕のことが嫌いなのか、睨んでくるような気がして面白い。自分が彼女に嫌がられていることに気づけアホが。そしてお前のせいで彼女が苦しんでいることを悔いてもう二度と姿を見せるな。

 身勝手な奴らのせいで彼女が苦しんでいることが一番辛い。