かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

体調不良アピール

 彼女がここ数日体調不良だ。

 風邪っぽいんだけど熱がないらしい。でも平熱よりちょっと高いくらいだったみたい。少しでも平熱より上がれば体調に変化があるだろうから、微熱じゃないからってしんどくないわけじゃない。

 すごく熱が出てるとか、咳が酷いとか、目に見えて体調が悪ければ彼女も体調悪いっていう主張ができる。でも頭が痛い、節々がだるい、痛いというような症状だと外側に症状が出てこないから周りに伝わりにくいから彼女も風邪でしんどいっていう主張がしづらいようだ。そんなにしんどくないのにアピールしてるって思われるのが嫌みたい。

 彼女はしんどくてもわりと元気そうに振る舞う。話しかけたら喋ってくれるし、笑ってもくれる。だから僕を含めみんな、彼女の体調の悪さというものを軽く見てしまうんだと思う。彼女としてはアピールはしたくないけれど、しんどいけど頑張っている状態なんだってことは分かってほしいはずだ。ここにジレンマが発生する。体調悪いことは分かってほしいけど、アピールはしたくない。これってわりとみんな思うことじゃないかな。僕はよくこれを考える。で、たいていアピールしちゃう。分かってもらいたい欲求に負ける。

 彼女は主張が控えめ。周りにいる人たちがみんな体調悪い主張が激しいので余計に控えめに感じる。周囲の人たちが自分に甘く、責任感が弱いんだと思う。視点を変えれば彼女は自分に厳しく責任感が強いということになる。

 体調が悪いのは自己管理ができていないせい、という考えのある人はそんなに大声で体調の悪さを主張しないだろう。更にそういう考えであるならば、仕事中体調が悪くてしんどいのも自分のせいだから我慢して働こうって思うはずだ。

 体調が悪いのは自分のせいなのに、しんどい、調子悪いって主張することで優遇されるのはおかしい、とも考えるはずだ。

 もちろん、体調が悪いのを無理して頑張ることを強要しているわけではない。心の持ち方として、体調悪くてしんどいんですわ!って開き直るんじゃなくて、体調悪くて迷惑かけてすみませんっていう心持ちでいろよっていう話。

 これは僕の考えだけど、彼女も近いことを考えているんじゃないかなって思う。

 だから体調悪くても頑張るし、迷惑かけまいと思うわけだ。周囲に体調悪いアピールして開き直っているやつを見るとイラッともするだろう。

 こんな考え方ができる人のほうが圧倒的に好きだ。自分を律することができて、周囲に与える迷惑とか影響っていうものをきちんと考えることができる。楽な方に逃げない。

 そうだ、彼女は楽な方に逃げないから強い人だって感じるんだ。

 僕は彼女の逃げ場でいたい。体調悪い時にしんどいって言えるとか、一人で頑張れない時に頼れるとか。彼女に頑張らなくてもいいよって言っても頑張っちゃうだろうし、無理しなくていいよって言っても無理しちゃうだろうと思う。だったら僕がそれを助けてあげて、少しでも楽にしてあげたいなって思う。僕にできることとか手の届く範囲はすごく狭いけど、彼女のためにできることをしたい。

 今はつらそうな彼女を心配したり元気付けたりすることしかできないから、根本の原因である体調がよくなってくれる事を願っている。