かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不思議な涙

 今日、彼女と一緒にご飯を食べながら、お泊り会中に発生した問題について語り合った。

 問題というのは色々積み重なっているから説明しにくいんだけど、ももちゃんと彼女が話していたときに、とある話題についての会話をももちゃんが嫌がったことから始まる。その話は重要な議題であったし彼女もそれについて会話の意思を見せていた、それにそもそも話のきっかけを作ったのはももちゃんだった。なんていうのか手紙書いてきたから読んでくださいって言われて、どれどれ読もうかって手を出したら、やっぱりやめます!読まないでください!って言われた感じ。

 彼女はあたりまえだけどもやっとした気持ちになる。で、彼女をそういう気持ちにさせたのにももちゃんはそのままふて寝を決め込んだ。ももちゃん以外が取り残されて空気が重苦しかった。

 で、この件とは別件(多少関連性はあるけれど)で、ももちゃんが彼女に捨て台詞を吐いてその場から走り去るという事件があって、それに関してきちんと謝罪をするなり話しあうなりということが無いままお泊り会当日になっていたという状況。

 大きくはこの二つのことについて、僕と彼女は意見を交わすことになった。

 ももちゃんは彼女に甘えていて、自分の気持ちを汲み取ってくれない、自分はこうしたいと思っているのに分かってくれないみたいな、本当は自分が悪いのに彼女を悪者にして拗ねているってことが多いような気がする。以前はそこまで顕著ではなかったのに最近、特に今日のこととか明らかにわがままが通じなくて拗ねている子供みたいになっているのだ。

 捨てぜりふを吐いて走り去るという子供みたいな行動も、結局自分の言いたいことや気持ちに自分の求めた通りに寄り添ってくれないってことで拗ねて取ったものだと思う。そしてそんな態度を取って許してもらえると思っている甘え、なんならこんな態度取っちゃうくらい嫌だったんですよー!分かれやーくらいに思っている甘え。

 そういう彼女に対する甘えが僕は非常に嫌なのだ。

 彼女はももちゃんの為に時間を作って話をしたり、困ったことに対してこうしたらいいんじゃない?こう考えてみたら?っていうアドバイスをしたり、愚痴を聞いてあげたりしている。甘えきってわがままを言っているももちゃんをこのままじゃいけないと思って正しい方向に導こうともしている。

 そのももちゃんのことを思った行動の見返りがこれではあまりに酷いなって思った。

 下手くそな例え話をします。今のももちゃんは、逆上がりができるようになりたいと言っている小学生とします。すると彼女はももちゃんに、逆上がりができるようになるには練習しないとねという。ももちゃんは練習する気はあるし逆上がりができるようになりたいと思ってはいるから、頑張ろうとしてみる。でもできない。しかたがないので彼女はもっと具体的に、こうやって鉄棒を持てとか蹴りあげる力が大事だよとかより実践的なアドバイスをする。そうするとそれができないんだもん!って拗ねだす。どこができないんだろうって細かく見ていこうとすると、ももちゃんは運動が苦手な自分が悪いんだとか自虐的な言動をしだす。それでも一生懸命彼女はももちゃんんが逆上がりできるように教えてあげる。でもやっぱり逆上がりができなくて、自分が逆上がりしたいって言ったから教えてくれているのに、彼女に教えられることが嫌になってきてしまう。

 分かるかな?伝わる?

 彼女はももちゃんが逆上がりできるように自分にできることを精一杯やっているのに、ももちゃんは運動神経が悪いことを言い訳したり、できない自分としっかり向きあおうとしなかったりして、自分自身で努力することを怠っている。それでいて、できない自分の気持ちをわかってもらえないとか言って拗ねる。

 もうここがおかしい。彼女の努力が無碍にされているなーって考えながら彼女と話していたら、僕は涙が出てきた。寝てなかったから変に感情が昂っていたのかもしれない。

 拗ねているももちゃんに、きちんと自分と向き合って努力すればきっとできるから、頑張ろう、協力するよって寄り添っているのに、自分の弱さを見ないようにするために、自分の弱さを正当化するために、ももちゃんの中で彼女がどんどん嫌な人になっていってしまうんじゃないか。今はまだ大丈夫だけど、同じようなことが繰り返されていけばいつかももちゃんは彼女のことを嫌いになってしまうんじゃないかと思った。

 彼女がももちゃんのことを思って行動しているのに、それが伝わらない辛さ。嫌われてしまうかもしれないということを分かっていながら、それでもももちゃんのためになると信じて正しい方向へ導こうとする彼女の強さ。こんなに頑張っているのに彼女が報われないことが可哀想で可哀想で、僕は気付いたらぼろぼろ涙を流していた。彼女が嫌われてしまうかもしれないことが自分のことのようにつらかった。だって彼女はなにも悪くないのに。悔しかった。

 なんで泣いてるんだろうって言いながら笑ってるのに涙がでてきて、それを見た彼女がもらい泣きしちゃって、笑いながらぼろぼろ泣いている変な二人組が出来上がっていた。すごく悲しいってわけでもないし、すごくつらいってわけでもないんだけど、涙が出てきた。彼女の気持ちを思ったら自然と涙がこぼれた。割と穏やかな気持の中涙を流して、こんな泣き方初めてだーとか言ってた。楽しかった。

 長々書いて、言いたいことが上手く表現できているか心配。

 もう一つ悔しいのが、彼女を嫌な気分にさせておいて知らんぷりすること。今日のその話すのを嫌がってふて寝の時も彼女が凄く嫌な気分になっているのに、そのフォローもなんにもせずに自分の殻に閉じこもってしまう。捨て台詞吐いて走り去った時も同じだよね。彼女がいい気分でいるわけがないのにその後なんの謝罪もフォローもない。

 僕とももちゃんは立場的に結構似ていて、弱い部分も共通点は多いと思う。彼女と仲良くしたいという思いや、彼女に好かれたいという思いも似ていると思う。

 だから尚更、僕とももちゃんが似ているからこそ、ももちゃんの態度というのが許せない。

 彼女が好きで、彼女に好かれたい仲良くしたいと思っているのなら、自分がどんな嫌な思いをすることになったとしても、自分の弱さがさらけ出されることになったとしても、彼女に嫌な気分をさせてしまったことにたいして謝罪をしてフォローをするべきだ。それをしないで彼女に好きでいて貰いたいとか、優しくしてもらいたい、自分の思いをわかってもらいたいなんて甘えたことを言うのが許せない。

 彼女に与えてもらってばかりで、彼女になにも返せていないではないか。それが果たして対等で仲の良い関係と言えるだろうか。

 僕は彼女の考えや思いを理解して支えたり助けたりするために努力をしている。自分の弱い部分で彼女に嫌な思いをさせてしまうこともある。でもそれではいけないと思って努力して向き合って、変えられるように努力している。言い訳をして逃げたくなる気持ちと戦って自分を変えようとしている。

 彼女を嫌な気持ちにさせてしまったとき、彼女と言い合いになった時、もういいやって投げ出したくなる時もある。投げ出してしまうのは簡単で、自分のことだけを考えていればそれが一番楽で良い選択かもしれない。でも僕は絶対にそれを選びたくない。楽をしても自分のためにならないし、何より彼女に好かれたい、一緒にいたいと思っている気持ちと全く逆の行動を取るわけだから、そんなことをしていて彼女からの優しさを求めたり対等な関係を求めたりなんてできるわけがない。

 ももちゃんはそれをしようとしているのだ。嫌われるような態度をとっておきながら好きになってって言っているみたいな。

 彼女のことを思って頑張っていると自負している僕からみたら、呆れるほど身勝手で甘えていてわがままで、そんなので彼女に優しくしてもらおうなんてふざけるなと言いたくなるレベルなのだ。

 彼女を嫌な気分にさせておいて謝らないっていうのが本当に僕はものすごく不愉快で、許せない。彼女のこと好きなんでしょ?仲良くしたいと思ってるんでしょ?だったらどうしてそういうことするの?って感じ。

 この僕の気持ちを話している時も泣きそうになった。彼女が色んなことで苦しまないように、嫌な思いをしないようにって頑張っているのに、なんでお前はそうやすやすと彼女を傷つけて平気そうな顔していられるんだっていう思いでいっぱいになっていた。

 やっぱり悔しかった。彼女のためにもっと頑張れるはずなのに頑張らないことと、あんなに彼女に気をかけてもらっているのに応えていないことと、あんなに一緒にいるのに彼女のことを全然分かっていないことが。

 彼女に見放されて、もう口も効いてもらえないっていう感じになっててもおかしくないと思うの。現状。でも彼女はももちゃんを見放してはいなくて、希望を持って彼女が成長できるように関わっていこうとしている。

 ももちゃんが彼女の気持ちを理解して成長できるのかどうかは、ももちゃん自身が自分の弱さと向き合えるかどうかにかかっている。僕と彼女の会話の中でそれはかなり難しいことだろうという結論はでている。彼女もそれは分かっているけどそれでもももちゃんのためにって考えて行動してあげられる。

 この優しさにももちゃんが気づくのが、その優しさを失った後にならないことを願う。

 それはももちゃんのためでもあるし、ももちゃんのために行動した彼女のためにも、早く彼女の思いに気づいて欲しい。

 泣いたし、嫌な気持ちにもなったし、決して気持ちのいい明るい話ではなかったけど、今日これについて話し合えて僕は楽しかった。凄くいい話し合いができたと思う。

 良かった。