かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

内緒のプレゼント

 昨日の夜、彼女が、僕の喜ぶものをつくったよと報告してくれた。僕が「なになにー!」尋ねたんだけど、教えてくれなかった。明日のお楽しみって感じだった。過去に彼女がそんな感じで僕に何かを作ってくれたという経験から、チーズケーキでも作ってくれたかなあと勝手に推測していた。彼女の作ってくれるチーズケーキとっても美味しい。

 今日になってどうやらチーズケーキではないなと感じ取った僕は、何をもらえるのか分からくなって、まあ彼女が僕のために用意してくれたものなんだからきっと良いものなんだろうと考えていた。

 仕事が終わっていつものようにコンビニでお買い物をして、駐車場でちょっとおしゃべりをしていると、彼女がかばんをごそごそして「欲しい?」って聞いてきた。僕はそりゃあ欲しいですよとぶんぶん首を縦に振って答えた。

 彼女が取り出したのは封筒だった。可愛らしいくまさんの柄の封筒で、とっても見覚えのあるやつだった。多分僕と一緒に買い物をした時のやつだなあなんてふと思った。すぐに手紙だって分かった。

 手紙欲しいって言ってたからって彼女が言いながら渡してくれた。確かに僕はずっと前から手紙が欲しい手紙が欲しいって言っていた。前にちょっとした手紙はもらったことは何回かあった。バレンタインデーにクッキーを貰った時のがすごく記憶に残ってるんだけどね。それを見返すと嬉しい気持ちになるから、もっと手紙貰えたらいいなあって思っていたのです。

 手紙を受け取るとじわーっと喜びが押し寄せてきた。内容を読む前にまず、僕のために手紙を書いてくれたということが嬉しかった。

 便箋にはいつもの彼女の可愛い字で、僕に対する感謝が綴られていた。僕がいつも彼女のことを考えていること理解しようとしていることがきちんと伝わっているんだなって嬉しくなった。

 僕は、自分が一番彼女のことを理解しているって思ってはいるけど、それは主観だし彼女から見たらそう感じないかもしれないっていう思いを抱いてきた。

 手紙には、私のことを一番分かってくれてると思ってるって書いてあって、彼女もそう思ってくれてるんだって嬉しくなった。これからは自信を持って、彼女のことを一番分かっているって言える。

 あと、僕が世界で一番彼女に尽くしてくれてるって書いてくれてもあった。こんなに心を砕いて私の為に一生懸命になってくれる人は他にいないよって。嬉しい。僕の努力がちゃんと分かってもらえて認めてもらえてるんだって思ったらすごく嬉しかった。

 手紙を読んでたらうるっとしてきちゃった。ぼろぼろ涙が溢れるまではいかなかったけど、嬉しくてじわーっと涙が出た。こういうのすぐうるうるしちゃう。

 この手紙は宝物にします。

 とっても素敵なプレゼントだった。手紙を読み終わった後に、どこ部分が良かったって彼女が聞いてきて面白かった。送った手紙の感想を求められることなんて今までなかったからね。そういうところも彼女らしくって好きだよ。

 すごく嬉しかったから、また彼女が手紙を書いてくれるのを楽しみにしようと思う。きっとまたしばらく間を開けて僕が忘れた頃に書いてくれるに違いない。